1:2016/08/30(火) 13:30:49.28 ID:
 フランスの国営放送が初めて日本のアニメを放送したのは1978年、雨の多い7月のこと。屋内にこもりがちになった子どもたちは、はじめて触れる日本のアニメ「ゴルドラック」(原題は「UFOロボ グレンダイザー」)に夢中となり、視聴率100%も記録したモンスター番組となった。以降、同国では日本のアニメが次々と放送され、欧州でもアニメや漫画愛好家が多い国となったことはよく知られている。

 日本のソフトパワーを担うものとして、アニメを思い浮かべる人は多いはず。しかし、アニメーターの仕事は労働環境の悪さがしばしば話題となる。2015年に日本アニメーター・演出協会「JAniCA」が発表した「アニメーション制作者 実態調査報告書 2015」では、年間収入の低さなどが世間に驚きを与えた(関連記事)。

 吉田クリストフさんは、フランスと日本の両国で活躍するクリエイターだ。パリ第5大学医学部を卒業後、クリエーションの道を選んだ彼は、クリストフ・クリタのペンネームでcomicoなどで連載する一方、本名ではアニメーターとして絵コンテの仕事をしている。フランスと日本、両方の業界をよく知る吉田さんに、日本のアニメーターはなぜ待遇が優れないのか、日本と世界のアニメの傾向の違いなどを聞いた。



―― 現在フランスで絵コンテを担当されているアニメ作品を教えてください。

吉田 いまやっているのは映画監督のリュック・ベッソンの会社がやっている「Arthur et les Minimoys」のテレビシリーズ。劇場版もあったね(※劇場版3部作は「アーサーとミニモイの不思議な国」「 アーサーと魔王マルタザールの逆襲」「アーサーとふたつの世界の決戦」の邦題で公開)。 ―― フリーランスとして契約しているのですか。

吉田 みんなフリーランスだよ。アニメの場合1話ごとで契約したりする。

 僕たちにはエンターテインメント領域で働く人用の特別な社会保障制度があって、健康保険や年金もあるし、年に1回「Conges Spectacles」(エンターテインメント産業界の休暇)という有給休暇が1カ月分もらえる。「ここからここまで休みを取ります」と言うと1カ月分の給料をボンと渡される。前年にあまり働いてなければ少なくなってしまうけど。

―― 継続して取っていいんですね。

吉田 そうだね。この社会保障制度は、映画や演劇などのエンターテインメントの領域で、大きな会社に長期所属するわけではない「Intermittents du Spectacle」(エンターテインメント産業界の不定期労働者)という不定期に働く人たちが対象。僕たちは仕事があるときでも失業者の扱いで、例えばルーブル美術館なども割引料金で入ることができる。仕事がないときには、幾つかの基準(前年に規定の時間以上働いたなど)を満たしていれば手当をもらえるよ。

 ただこれもフランスではいろいろ言われている。エンターテインメントに関わっている人は優遇されすぎているから是正すべき、とかね。

―― どうして? フランスではほかの職業でも社会保障制度は同じように手厚いですよね。高すぎたり多すぎたりするとも思えませんけど。

吉田 そうなんだけどね。実際に働いている立場からみても、特に優遇されてるとは感じない。でも、ほかの職業の人たちからみるとすごく優遇されてるイメージがあるのかも。キリギリスみたいに好きな音楽やってお金をもらえて社会保障もあって、「俺たちアリは真面目に働いてるのに」って。

―― なるほど。でも日本でフリーランスとして働いてる人に比べるととてもよいですよね。

吉田 もちろん、日本に比べるとすごく優遇されてる。勤務時間も日本のように夜遅くまで働いて23時に会議、なんてことはフランスではあり得ない。10時ごろにやってきて18時には帰る。

 でも雇う側も大変。フランスでは月給20万円で人を雇うとするとさらに社会保障のために20万円払うから結局、倍の40万円を毎月払うことになるからね(※エンタ―テインメント領域に関わらずフランスで雇用する場合は全て同じ)。

―― フランスではアニメーターの平均所得はどのくらい?

吉田 アニメーターといってもいろいろだから一概には言えないけど、月給だと2500ユーロ(約28万円)から4500ユーロ(約50万円)くらいかな。このほかに監督や脚本家、絵コンテも作品によっては印税がある。例えば「トムとジェリー」みたいにせりふがほとんどなくて動きだけで笑わせるようなアニメの場合、僕たちがギャグを考えたりするから。

―― フランスの制作会社の方が日本の制作会社よりも利益を出しているからアニメーターの高待遇が可能ということはありますか?

吉田 日本は制作会社が多いので、「うちならもっと安くできますよ」とどんどん安い値段で提案されてしまうのだと思う。たくさん作品が制作されていてもヒットするのはわずかだし、これではヒットしても制作会社自体が儲からない。当然その中で働いている人にはまわらないよね。

 フランスの場合、スポンサーやテレビ局がたくさんお金を出してくれる。多くはアメリカ。日本も海外と関係を持つことができればアニメーターの所得はもっとよくなると思う。ただ、お金を出す人は口も出すんだよね。欧米ではアニメは子どもの見るものなので、規制がとても厳しい。おへそはセクシーな部分なので出してはいけないとか、大きな胸もダメだし、殴るシーンも暴力的だからという理由でダメだったり。日本は多分そういうのはイヤだと思う。好きなものを作りたいでしょう?

―― 海外の制作会社にとって、日本のアニメーターは需要が考えられる?

吉田 日本のアニメのノウハウを求めている海外の制作会社は多いと思う。ただ、もう1つ問題があって、いまの欧米のアニメはほとんどが3D。日本はまだ2Dも多いけれど、正直、3Dだと日本に技術的なアドバンテージはなくなってしまう。

―― 日本に2Dが多いのはどうしてですか?

吉田 1つは昔から2Dでやってきているアニメーターがまだ多いからというのがあるだろうね。それに、表現の問題だけど、2Dは、いうならば間違った絵でも動かすことができるわけ。クレヨンしんちゃんのデフォルメとか、スネ夫が正面を向いたときの前髪のギザギザとか。ドラえもんも上唇がプンと膨らんでるでしょ? それに口の両サイドにも膨らみがあって、あれは「この角度から見ればいいけれど別の角度なら変な顔になる」というように(3Dでは)、できなくなってしまう。

 3Dではこういうズルはできない。でも芸術的にみれば、3Dはどれも同じに見えるけど、2Dでは「これはあだち充先生のタッチだ」というようにそれぞれ味がある。将来的には3Dでもそういう味が出せるようになるのかもしれないけど、いまはどこも似たり寄ったり。だから日本ではまだ2Dアニメの方が好かれているのかも。

―― 欧米で3Dが主流になっている理由は?

吉田 大きな理由は、自分の国だけで制作できること。昔はフランスも中国や韓国に外注していたけど、3Dになってからは国内で全てまわるようになってコストが大きく削減された。あとは、みんな何か新しいものが見たい、ということもあるかもしれない。3Dはまだまだ新鮮なんだろうね、流行というか。

―― それぞれ表現の幅が違ってくるわけですよね。

吉田 3Dだと、2Dのテレビシリーズではできなかったカメラアングルが可能になる。例えばゆっくり走るトラックを追い掛けてくる子どもを、荷台から撮影するようなシーンは2Dのテレビシリーズではやらない。移り変わる膨大な背景を描かなくてはいけなくなるから。あるいは背景は描かない、とか。

 でも2Dや、日本のアニメのアドバンテージはストーリーテリングにあるんだよね。欧米のアニメのストーリーは表面的で、「結局何が言いたいんだろう?」と思うことがある。説明的で論理的にすぎ、「確かに事件は起きているが」というようなちょっと冷たい目で見てしまったり。

 欧米のアニメはとにかくスピーディーで常に動いていなくてはいけない。30分のアニメなら欧米は400カットくらいだけど、日本は320カットとかかな。日本のように感情を表現するための間を入れたりしないし、登場人物が泣いたら視聴者も感情移入して泣く、とか、キャラクターに愛着を持つように導かれ、心を揺さぶられるようなことがない。

―― ご自身では、制作しながらどう感じているんですか?

吉田 内容的には面白くないよね……。でも部分部分で、「こんなカメラアングルにしてみたら面白い」とかチャレンジしながら面白みを見つけていく。そういうのは、分かる人にはちゃんと伝わるものだから。

 日本のアニメーターから見れば「いいなあ、フランスのアニメーターは給料がよくて休みも多くて」と思うかもしれないけど、その代わりにやってる内容は面白くない。日本のアニメのマーケットは日本だけで成り立っているからこそ表現の自由もある。昔フランスの子どもは「ハイジ」とか、とても新鮮な気持ちで見てたんだよ。フランスのアニメにはなかった、こんなストーリーテリングがあったんだと「発見」したというのかな。それが日本のアニメが大ヒットした理由だし、いまでも青年に人気があるのはそれが理由。

 スポンサーは、アニメで感情を描いたり、悲しい場面で泣いたりするのを「子どもにトラウマを与えてしまう」と言うわけだけど、そういうのも(欧米の子どもたちにとって)ちょっとかわいそうだなあと感じてしまう。もっとキャラクターに感情移入するシーンも、子どもたちにとっては大事だと思うんだけどね。

 ……この話、面白い?

―― 面白い(前のめり)!

吉田 そう? 日本のアニメ好きな人やアニメの仕事してる人が興味を持ってくれるといいな。

バラの花束 バラの花束
4:2016/08/30(火) 13:41:39.08 ID:
シンプソンズの声優一本分のギャラ>日本のアニメ一本分の制作費
6:2016/08/30(火) 13:47:02.94 ID:
×アニメーター
○アニメ土方
7:2016/08/30(火) 13:49:11.69 ID:
でも海外の漫画アニメってつまんないじゃん
8:2016/08/30(火) 13:49:23.26 ID:
現場は上から下まで薄給だけど
誰が搾取してんだろうね
原作者と出版社?
 
11:2016/08/30(火) 13:52:48.21 ID:
アニメだけじゃない。
芸術一般、もっと言えば、農林水産業、工業を含め、
ものの作り手(創り手)の扱いが軽すぎるんだよ。

できた作品を安く買い叩いて、
右から左へ流すヤツらが大儲けしているだけ。

何がクール・ジャパンだ。
15:2016/08/30(火) 13:56:11.72 ID:
著作権が複雑すぎるのが問題だろうな。
16:2016/08/30(火) 14:03:41.41 ID:
クリエイティブな、生産的な仕事を軽視するのは現代日本人と社会の特徴だから
大した物作り大国だよ
19:2016/08/30(火) 14:08:39.58 ID:
日本にアニメクリエイターなんてひとりもいねえよ。
単なる、コンピューターお絵かき土方か、塗り絵土方だけ
アニメーション系専門学校見てれば良くわかるだろ。
オタクやマニアが土台になったオナニー文化のなれの果てだよ
23:2016/08/30(火) 14:20:38.38 ID:
▼「日本アニメ・マンガファン」を意味する侮蔑的俗語「WAPANESE」「Weeaboo」
http://ejje.weblio.jp/content/weeaboo
欧米では日本文化が好きな人は「Weeaboo」と呼ばれ馬鹿にされる

■「クールジャパン」との評価に反し、利益回収率低く、売上も頭打ち(2010年)
http://b.hatena.ne.jp/entry/humanmedia.co.jp/database/PDF/5-1.pdf

■特集 MANGA、宴のあとで
FRANCE/バブルがはじけた?
http://globe.asahi.com/feature/110207/01_1.html
USA/過ぎ去ったマンガブーム
http://globe.asahi.com/feature/110207/01_4.html
主要国のマンガの年間売上額(日本、フランス、米国)


●CSアニメ専門チャンネルAT-X 岩田圭介社長
「日本のコンテンツ輸出額はどうなっているかというと、アニメは82.2億円でシェアは
輸出額中の1.5%。ゲームが95%と圧倒的です。クール・ジャパンなんて言ってますが、
全然大したことないんです」と岩田さん。放送番組を含めてもわずか3%と「シェア」と
言えないようなもので、「日本というのはガラパゴスです」と表現しました。

日本のアニメを海外に持っていたとき、日本作品は作り方がルーズだと見られています。
特にセックス&バイオレンスに関しては各国の常識に当てはまらず、そのあたりを
考えて作られていないと難色を示すバイヤーが多め。

日本コンテンツの輸出額 5300億円
ゲーム 5064億円(95.2%)
アニメ 82.2億円(1.5%)
放送番組 92.5億円(1.7%)
映画 52.2億円(1.0%)
音楽 26.4億円(0.5%)
http://gigazine.net/news/20130206-screen-media-anime-business-forum-2013/
26:2016/08/30(火) 14:29:30.39 ID:
そりゃフランスは日本みたいに制作会社が乱立して深夜に毎日何本もアニメが放送されるような状況じゃないからだろ
安売りして無理やり需要を作ってるからおかしなことになる
36:2016/08/30(火) 15:07:52.08 ID:
>>11
だよな。それに尽きる。
41:2016/08/30(火) 15:23:06.12 ID:
その割にはつまんねえな
50:2016/08/30(火) 15:48:53.04 ID:
フランスはしょっちゅう労働者がデモやストをやって待遇をよくしようと頑張ってるよね
日本も労働者がもうちょっと声をあげてもいいと思うんだがなあ
52:2016/08/30(火) 15:52:52.54 ID:
給料が安くても人が集まる時点で待遇なんて改善しねーよ
大体深夜アニメなんてそんなに需要ないのに供給過多なアニメーターを満足させるためだけに作り続けられてる
1の記事の人も言ってるけど制作会社大杉
53:2016/08/30(火) 15:53:33.58 ID:
>>50
アニメ業界で声を上げると他のアニメーターが「お前ごときがなに言ってんだ?」ってなって全然まとまらない
なんども組合立ち上げる話が出て何度も潰れてる

宮崎とか富野レベルの大御所がホントはそういうのやんないといけない
54:2016/08/30(火) 15:55:39.35 ID:
アニメーターが待遇改善を訴えないのが仕事がなくなるのが怖いからだろ
アニメーターの待遇改善が売り上げに直結するわけじゃねーからな
必然的につぶれる制作会社も出て来るし、仕事自体も減る
56:2016/08/30(火) 16:06:49.20 ID:
>>52
まあ、深夜アニメが増えた今とゴールデン帯中心の昔で
アニメの制作費はそんなに変化してないんだから
待遇が改善しない構造って奴はもっと前々から存在するんだけどな
57:2016/08/30(火) 16:09:48.82 ID:
>>54
待遇改善を訴えて収入が増えるならまだしも
収入が減るならそりゃ誰もやりたがらんだろうな
58:2016/08/30(火) 16:14:15.49 ID:
>>57
収入は増えるよ
一部優秀なクリエーターはね
逆に能力が無けりゃ仕事自体なくなる
むしろそれが自然なんだけどな
59:2016/08/30(火) 16:19:37.23 ID:
>>58
優秀なクリエーターはそもそも安い単価仕事じゃなくて
拘束料を貰えるような仕事を請け負ってるでしょ
収入が上がるとしたらそれよりワンランク下くらいのクリエーターだと思うが
60:2016/08/30(火) 16:21:18.06 ID:
>>58
大勢が居ないと仕事が出来あがらないから
結果優秀なヤツも食い詰めることになるんだよね
62:2016/08/30(火) 16:31:33.01 ID:
>>53
その宮崎と高畑が立ち上げた途端に速攻で無責任に逃げだして
未だに手塚が悪いって言い続けてるからな

富野は業界という畑を荒っぽいやり方ながら耕したっていう功績があるから
これ以上を求めるのはどうだろうねぇ
63:2016/08/30(火) 16:32:29.40 ID:
今時のアニメだとシリーズ全体で総作監が数人、作監が数十人とかザラだけど
待遇改善された結果原画マンのレベルが上がれば
作監も総作監もそんなに要らない訳だよ
70:2016/08/30(火) 16:58:32.62 ID:
>>60
優秀なやつは食い詰めないよ
優秀な怠け者は食い詰めるけど
71:2016/08/30(火) 17:05:21.16 ID:
>>70
それは結局今よりさらに働かないといけないと言うこと
74:2016/08/30(火) 17:07:15.76 ID:
海外では3Dの方向を突き進むのかな
データの蓄積がされていけば
自動生成できる部分も増えそうだしな
日本はマンガのアニメ化が基本だから
2Dでいくのかな
76:2016/08/30(火) 17:11:34.88 ID:
>>71
そういう人間は中々働かないから優秀な怠け者なんじゃないのかw
自分の仕事にこだわる芸術家肌とも言えるけど
84:2016/08/30(火) 17:43:11.44 ID:
>>76
3DCGやっててアニメと実写と業界に片足ずつ突っ込んでる感じで働いて長年見てるけど
そういう働きっぷりの人は大抵家が裕福で別に困窮とかしないんだよね
90:2016/08/30(火) 18:02:53.50 ID:
フランスは移民やイスラム過激派の問題があるとしても
若年人口が多いから日本のライバルになると思う。
世界第2のアニメ大国は中国になるだろうし。
日本は人口構造で詰んでいるのだよな。
124:2016/08/30(火) 22:41:25.52 ID:
>>11
だってほら、その他大勢の凡人であることを至上の価値として、
創造的な人間を「変人」「オタク」よばわりして蔑み
馬鹿同士で慣れ合う「コミュ力」をもてはやす世の中だからね

井の中の蛙同士狭いムラの中で卑屈に長いものに巻かれて生きていこう、って
セコい国民性が骨の髄まで染み付いてんだよw
142:2016/08/31(水) 11:02:46.08 ID:
>>1
でもフランスアニメで面白いってあるの?ってレベルで低知名度じゃん
145:2016/08/31(水) 16:03:12.74 ID:
>若年層を中心に広がり続ける日本文化を、フランスの独自性の危機だと捉える人々も存在した。
80年代後半から90年代にかけて起こったフランスのジャパンバッシングの中で、反日の槍玉に挙げられた日本アニメは、「暴力シーンが多い」「質が低い」などの理由で、戦闘シーンの削除や放送中止に追い込まれた。

 果てには、国会議員が著書で日本の特撮ヒーロー『超電子バイオマン』を取り上げ、「敵を倒す=殺すこと」が幼児教育に悪影響があると槍玉に挙げた。
さらに、宮崎勤事件を引き合いに出し、あたかも「アニメを見ていると犯罪者になる」と言わんばかりの暴論を展開した。

 アニメと犯罪の因果関係を論じることの無意味さや愚かさは語るまでもないが、結果として、フランスでの日本アニメブームは収束し、テレビから消えた。
151:2016/09/02(金) 03:18:50.93 ID:
>>11
流通や権利ビジネスに関わろうとするクリエーターを蔑む文化のせいでもある